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便潜血検査陽性の方へ
(便に血が混じる方へ)

便潜血検査陽性の方へ
(便に血が混じる方へ)Fecal occult blood test
(Blood in stool)

便潜血検査陽性
便潜血検査 陽性 大腸がん 内視鏡的切除、外科手術、
化学療法など
大腸
ポリープ
内視鏡的切除
(将来的な大腸がんの予防ができる)
炎症性腸疾患、
痔疾患など
それぞれの加療など

便潜血検査は大腸がんを見つけるための検査

便潜血検査が陽性(+)だったり、便に血が混じったりしている際に最も注意しなくてはならないのは大腸がんです。便潜血検査は、別名で大腸がん検診ともいわれます。この検査は、便に血が混じっているかどうかを高感度に調べるという検査です。

便潜血検査陽性だと大腸がんの確率は約3%(陰性の場合の約160倍)

便潜血検査

便潜血検査が陽性になるのは検査を受けた方の約10%とされています。そして検査で陽性となった場合は、約3%で実際に大腸がんが見つかるとされています。検査結果が陰性(-)の場合でも大腸がんが見つかることはありますが、陽性の場合は陰性の場合の約160倍という高い確率で大腸がんが見つかります(国立がん研究センターデータベースより55-59歳男性大腸がん有病率0.03%、大腸がん検診ガイドラインより便潜血検査感度80%・特異度97.6%を用いて計算)。
この検査は便に血が混じっているかどうかを調べる検査ですので、実際に便を見て血が混じっている場合も、そうでない場合と比べて大腸がんが見つかる可能性は高いものとなります。

陰性だからといって大腸がんがないという訳ではない

便潜血検査は、大腸がんに罹患している方において約80%で陽性になるとされています。これは裏を返すと実際に大腸がんがあったとしても、約20%では便潜血検査は陰性の結果が出るということになります。
ただ便潜血検査が陽性となるのは検査を受けた方の約10%で、大部分となる残りの約90%の方は陰性ですので、陰性で大腸がんが見つかる可能性は相当に低いものとなり、結果として先述の通り陽性だと陰性の場合の約160倍という高確率で大腸がんが見つかるということになります。
しかしながら陰性であったとしても便通異常などの症状を伴う場合は、大腸がんを含めた何らかの疾患のこともありますので、きちんと調べることが望ましいといえます。

進行大腸がん(右はNBI拡大観察像)

進行大腸がん(右はNBI拡大観察像)

大腸がん以外で陽性となるのは、将来的にがんの原因となる良性のポリープなど

大腸ポリープも便潜血検査陽性の場合には、データによって幅はありますが約40%の確率で見つかるとされています。
大腸がんの多くは、元々は良性のポリープだったものが年月を経て徐々に大きくなっていき、そのうちにがん化するという経過で生じます。
大腸のポリープは腫瘍性と非腫瘍性に分けられ、さらに腫瘍性ポリープには良性のものと悪性のものとがあります。一部の大腸がんは最初からがんとして発生しますが、多くの大腸がんは当初は良性の腺腫だったものが増大してがん化して生じます。さらに近年大腸がんの原因として注目されている病変にSSL(≒SSA/P)というポリープがあり、こちらも大きくなるとがん化する可能性が高まります。
そのほか、便潜血検査陽性で見つかる病気としては、潰瘍性大腸炎などの炎症性腸疾患や、痔核・裂肛といった痔疾患などが挙げられます。

大腸腺腫(右はNBI拡大観察像)

大腸腺腫(右はNBI拡大観察像)

便潜血検査陽性の際に推奨されるのは大腸内視鏡検査(大腸カメラ)

便潜血検査の結果が陽性の場合は、精密検査(二次検診)を受ける必要があります。精密検査としては、大腸内視鏡検査(大腸カメラ)、注腸X線検査、CTコロノグラフィーなどの方法がありますが、検査としての精度や病変の病理学的検査や治療としての切除なども行えることなどから、大腸内視鏡検査が最も推奨されています。
そのため便潜血検査の結果が陽性の際には、なるべく早めに大腸内視鏡検査を受けることが勧められます。

大腸内視鏡検査では大腸がんの発見のほか、早期がんやがんの原因となる腺腫などの切除が可能

先述の通り、便潜血検査陽性だと大腸内視鏡検査を施行することで高い確率で大腸がんやポリープが見つかることとなり、進行大腸がんの場合はその後に手術や化学療法などで加療していくこととなりますが、早期がんの場合は内視鏡的な切除で根治できることも多いです。またほとんどの良性のポリープは内視鏡的に切除して治すことができます。
そのほか炎症性腸疾患や痔疾患などが見つかった際には、それに適した加療を行っていくこととなります。

大腸内視鏡検査では大腸がんの発見のほか、早期がんやがんの原因となる腺腫などの切除が可能

大腸ポリープの発見率は約30-60%で、医療機関によって差がある

大腸内視鏡検査を施行した際に、腺腫が発見される確率(腺腫発見率=ADR)の一般的な平均値は約30-40%といわれています。この値が高いと大腸がんの原因となる良性腫瘍である腺腫をもらさず切除することができているといえるため、高いほど優れているとされています。
当院の腺腫発見率は約60%と高率で、先述のSSLを含めた切除適応ポリープの発見率もほぼ毎月60%台を維持しています。腺腫発見率が高いと多くのポリープを切除することができるため、その後の大腸がんの発がん率が低くなるということも研究によって明らかとなっており、どの施設で大腸内視鏡検査を受けるかというのは、将来に影響を及ぼすとても大事な選択といえます。

当院では多くの大学病院やがんセンターなどで精密検査や治療用の主力機として用いられているオリンパス社のフラッグシップ高性能機EVIS X1を採用しており、また院長をはじめすべての医師が内視鏡専門医・指導医の両方の資格を持ちかつ支部評議員を務めているため、高い専門性を持った内視鏡検査・治療が可能となっており、そのことが高い腺腫発見率に繋がっています。
さらに検査は楽に受けられるということも重要ですが、当院では適切に鎮痛剤・鎮静剤を用いながら無送気軸保持短縮法というなるべく腸を伸ばさない方法で挿入し、観察時にも空気の代わりに炭酸ガスを用いることで腸の張りを抑えた観察ができるため、苦痛なく楽に検査を受けることが可能です。

大腸ポリープのほとんどはクリニックでの日帰り内視鏡的切除で治療することができる

大腸内視鏡検査時に見つかった切除適応ポリープのほとんどは、入院することなくクリニックでCSPという安全性・有効性に優れた切除法で切除することができます。また良性のポリープであっても比較的大きな病変や、切除可能な早期がんの場合は、EMRやHSPといったやや侵襲のある方法で切除する必要がありますが、ここまでならば多くはクリニックで日帰り治療で切除することが可能です。ただし一部の大きな病変およびやや深めの可能性のあるがんの場合は、入院施設のある高次医療機関(基幹病院・がんセンター・大学病院など)への紹介が必要となります。

CSPでの大腸腺腫の切除(スネアという金属製の輪っかで病変を絞扼していき切除します)

CSPでの大腸腺腫の切除(スネアという金属製の輪っかで病変を絞扼していき切除します)

当院の院長は大学病院で長く内視鏡検査・治療の診療・研究をしており、複数の論文が本邦・欧州・米国の各種治療ガイドラインに推奨治療の根拠として引用されているほか、内視鏡専門医が指導医資格を取得するためのセミナーの講師を務め、さらに当院の開院後も内視鏡的切除に関しての依頼原稿を複数執筆しています。
そのため当院では大腸ポリープが見つかった際には、臨床経験豊富な医師の手によって切除適応を正しく判断し、適切な切除法で丁寧な治療を施術することが可能となっています。

本院開院後に院長が執筆した邦文献の一部(左側:表紙、右側:執筆担当箇所抜粋)

消化器内科・一般内科診療の先生方へ向けた大腸ポリープ治療法の解説

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内視鏡専門医の先生方へ向けた新しい内視鏡治療法の解説

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開業の内視鏡医の先生方へ向けた現在の主流の内視鏡治療法の解説

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便潜血検査が陽性の際には、あとで後悔しないためにも早めの大腸内視鏡検査を

我が国での大腸がん検診の問題点として、便潜血検査の結果が陽性と判定されたものの、多忙などの理由で大腸内視鏡検査を受けることなく毎回の陽性結果を数年単位で放置される方が多いという現状があります。もし原因としての大腸がんがあった場合には、最初の年で大腸内視鏡検査を受けていれば早期がんとして日帰り治療で内視鏡的に切除できていたはずの病変が、そのうちに手術が必要な状態に成長し、当初から数年の経過の後に抗がん剤での治療の対象となってしまうと生命予後が短くなってしまいます。
このような患者さんにはしばしば遭遇し、この現状を何とかしたいと楽な検査・適切な加療で大腸内視鏡検査に対しての敷居を下げることで、こういったことを少しでも減らせるようにと日々の診療を行っています。
便潜血検査が陽性になったらば、なるべく早めに大腸内視鏡検査を受けていただければと思います。その決断は、皆さまにとっての実りある幸せな未来のために、とても重要なものとなるのかもしれませんから。