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ピロリ菌外来

ピロリ菌外来H. pylori outpatient

  • 胃がんの発生と強く関連しているピロリ菌感染
  • ピロリ菌感染では症状を伴うことも、まったく症状を伴わないこともあります
  • ピロリ菌除菌治療で減少する胃がん発生率
  • ピロリ菌検査の結果は検査当日に直接お伝え
  • ピロリ菌認定医による確かなピロリ菌検査・除菌治療

胃がんなどの原因となるピロリ菌

ピロリ菌は、正式にはヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter pylori)という名前の細菌で、ヒトの胃に感染して生息する菌です。
通常の細菌は、胃酸によって強い酸性環境下にある胃の中には生息できません。一方でピロリ菌はウレアーゼ活性という尿素を分解してアンモニアに変化させる能力を持っているため、アルカリ性であるアンモニアで胃酸を中和して胃内に生息することができるようになっています。
またこのアンモニアやピロリ菌自体が発生する毒素などによって胃粘膜表面の細胞を損傷するため、ピロリ菌は萎縮性胃炎(慢性胃炎)や胃潰瘍の原因となります。さらには胃がんの発生とも強く関連していることが指摘されており、世界保健機関(WHO)は、ピロリ菌を胃がんの発がん因子として1994年に正式に認めています。そして、じつに胃がんの95%以上においてピロリ菌が関与しているとされています(本邦におけるピロリ菌が関連しない胃がんは、全体の0.3~0.9%しかないという報告もあります)。

ピロリ菌感染による萎縮性胃炎(B型胃炎)。矢印部分が萎縮境界です。

ピロリ菌感染による萎縮性胃炎(B型胃炎)。矢印部分が萎縮境界です。

萎縮は前庭部から始まり、数十年単位で小弯側を口側へ進んでいきます。

萎縮は前庭部から始まり、数十年単位で小弯側を口側へ進んでいきます。

さらに進行すると、萎縮は前壁・後壁から大弯側へと広がっていきます。

さらに進行すると、萎縮は前壁・後壁から大弯側へと広がっていきます。

ピロリ菌感染胃に発生した早期胃がんです。

ピロリ菌感染胃に発生した早期胃がんです。

その病変の近接像です。

その病変の近接像です。

ピロリ菌感染の可能性のある症状

ピロリ菌は、胃がんや胃潰瘍以外にも、十二指腸潰瘍、胃MALTリンパ腫、特発性血小板減少性紫斑病、胃過形成ポリープ、機能性胃腸症(機能性ディスペプシア)などといった疾患との関連も指摘されています。
これらの中には、胃もたれ感、吐き気、心窩部痛(みぞおちの痛み)、食欲低下などを生じるものも多く、このような症状がおありの方においては、ピロリ菌の感染も疑う必要があります。
ただピロリ菌に感染している方の中には、まったく症状のない方も多く、症状がないからといってピロリ菌感染を否定できる訳でもありません。
感染経路は経口感染で、かつては井戸水の飲用などの衛生上の問題からの感染が多かったのですが、近年は食事を介しての母子・父子感染がほとんどとされています。
我が国におけるピロリ菌の感染率は、40歳代では20%台ですが、50歳代で30%台、60歳代では40%台となり、70歳代以上では約半数が感染しているとされおり、年齢が高いほど感染率が高いことが知られています。

再生上皮を伴った胃潰瘍です。近傍に別病変の治癒過程像も見られます。

再生上皮を伴った胃潰瘍です。近傍に別病変の治癒過程像も見られます。

潰瘍は治癒するとこのように瘢痕化します。

潰瘍は治癒するとこのように瘢痕化します。

十二指腸潰瘍

十二指腸潰瘍

十二指腸球部前面潰瘍瘢痕での引き攣れによる上面の浅いポケット形成。

十二指腸球部前面潰瘍瘢痕での引き攣れによる上面の浅いポケット形成。

胃MALTリンパ腫です。このように多発することも少なくありません。

胃MALTリンパ腫です。このように多発することも少なくありません。

ピロリ菌除菌で減少する胃がんの発生率

ピロリ菌除菌で減少する胃がんの発生率

ピロリ菌が胃に感染すると持続的な炎症を生じることによって、慢性的な胃粘膜萎縮の進行が惹き起こされます(慢性胃炎)。この炎症の過程において胃潰瘍や十二指腸潰瘍などを生じ、さらには胃内で粘膜細胞ががん化したものが胃がんとなります。 胃粘膜萎縮の進んだ状態ほど胃がん発がんのリスクは高まるとされており、そのような状態ではもちろんですが、ピロリ菌感染後まだ萎縮が進んでいない状態で除菌をすることによって、胃がんの発生しやすい母地を作らないことの意義は非常に大きいといえます。 胃がんの内視鏡切除後にピロリ菌を除菌することによって胃がんの発生頻度を約1/3に減らせることが報告されているほか、非がん患者(慢性胃炎患者)におけるピロリ菌の除菌治療によっても除菌後の胃がん発生が約40%減少することも分かっています。世界保健機関(WHO)も胃がん対策としてのピロリ菌検査と除菌治療を2014年に勧告しています。 我が国におけるピロリ菌除菌の保険適応としては、下記の疾患とされています。

①内視鏡検査(胃カメラ)において胃炎と診断された方
②胃潰瘍・十二指腸潰瘍
③早期胃がんに対する内視鏡治療後の方
④胃MALTリンパ腫
⑤特発性血小板減少性紫斑病(ITP)

これら以外の方においては、除菌治療は自費診療の対象となります(ピロリ菌検査は行われおり陽性ではあるものの上記①~⑤に当たらない場合は、除菌治療は自費診療ということになります)。
しかしながらピロリ菌の検査だけでは、その時点での胃がんの有無は分かりません。前述のようにピロリ菌は胃がんの発生に繋がるものであるので、ピロリ菌検査が陽性の(ピロリ菌がいる)時点で、胃がんの有無をしっかりと胃カメラで確認することが重要であるといえます。またピロリ菌検査陽性の方はほとんどで胃カメラ検査上の胃炎が確認されますので、保険診療での除菌ができるということになります。胃がんを見過ごすリスクがあることと経済的なことのいずれの観点からにおいても、ピロリ菌検査陽性の際には胃カメラ検査を受けて頂いた方が良いと考えられます。
しかしながらどうしても胃カメラを受けたくないという方ももちろんいらっしゃいますので、当クリニックではそのようなニーズにも対応できるよう、自費診療でのピロリ菌検査・治療にも対応しております(自費診療だと診察・一次除菌療法・除菌効果判定検査で計約18,000円の費用がかかります [ただし検査法や処方薬によって多少の違いがあります])。たとえば、胃がんリスク検査(ABC検診)陽性(B群・C群など)だけれども、どうしても胃カメラを受けたくない方などは適応となります。詳しくは診察時にお尋ねください。
ただ、ピロリ菌を除菌してもその時点で存在する胃がんが治る訳ではありません。私たち消化器内科医としては、皆さまに健康で長生きして頂くためにはピロリ菌除菌の前に、ぜひ胃がん早期発見のための内視鏡検査を受けて頂きたいというのが本音です。

ピロリ菌検査

ピロリ菌の検査には、以下の6つの方法があります。

内視鏡で組織を採取する検査法

  • ①迅速ウレアーゼ試験
    ピロリ菌の有するウレアーゼ活性によって、尿素がアンモニアに変化したことを検知する方法。
  • ②鏡検法
    顕微鏡を用いて、染色したピロリ菌を検知する方法。
  • ③培養法
    組織を培養して、増殖したピロリ菌を確認する方法。

内視鏡を用いない検査法

  • ④尿素呼気試験
    13Cで標識した尿素の錠剤を服用し、呼気に含まれるCO2中の13Cの、錠剤服用前後の差で判定します。(尿素がピロリ菌のウレアーゼ活性によってアンモニアと二酸化炭素に分解されることを利用した検査法。)
  • ⑤血中/尿中抗体測定
    血液中や尿中に含まれる、ピロリ菌に対しての抗体価によってピロリ菌の有無を判定する方法。
  • ⑥便中抗原測定
    便中に含まれる、ピロリ菌の抗原の有無によって判定する方法。

これらのうち、①~③の方法は内視鏡による生検組織検体を必要とする侵襲的な方法となります。それに対して、④~⑥の方法は内視鏡による組織の採取を必要としないものとなります。
当クリニックにおいては、その中でも簡便に行うことができ検査当日に結果をお伝えすることのできる⑤⑥を主とした検査を行っております(⑤においては採血を要さない尿中抗体法を主に施行しています)。いずれの検査法も、便もしくは尿を御自身で採集して頂き院内で検査を行う、まったく侵襲のない検査方法です。またその他の検査法も含め、飲んでいる薬の種類や検査の目的(ピロリ菌の有無を調べる目的か、除菌後の効果を判定する目的かなど)によって、これらの検査法のうち最適なものを適切に判断して施行しております。

適切なピロリ菌除菌治療

上記のように、当クリニックで主に行っているのは、院内で尿や便を調べるだけで分かる侵襲性の少ない検査ですので、痛みなどを伴わずまたその日のうちに結果が分かる方法となっております。
これによって患者さまの来院回数を減らすことができ、皆さまの通院のご負担を軽減するとともに、速やかにピロリ菌の除菌治療を開始することができるようになっております。
当クリニックでは、H. pylori(ピロリ菌)感染症認定医による、適切なピロリ菌の検査・除菌治療を行っております。
近年は新しい制酸剤であるノプラザンの登場によって、一次除菌の成功率は約90%、二次除菌の成功率はそれ以上となり、ほとんどの患者さまで二次除菌まででの除菌達成ができるようになりました(一次除菌で除菌に至らなかった場合二次除菌での除菌療法を施行、一次・二次除菌療法とも保険適応)。一次・二次除菌療法の処方例は以下の通りです(いずれも薬品名は一般名表記となります)。

一次除菌療法処方例

ボノプラザン(20mg) 1錠 1日2回
アモキシシリン(250mg) 3カプセル(錠) 1日2回
クラリスロマイシン(200mg) 1錠もしくは2錠 1日2回

※ 上記を1週間内服

二次除菌療法処方例

ボノプラザン(20mg) 1錠 1日2回
アモキシシリン(250mg) 3カプセル(錠) 1日2回
メトロニダゾール(250mg) 1錠 1日2回

※ 上記を1週間内服

一次除菌・二次除菌とも、管理しやすいパック製剤があります。

ボノサップパック400

ボノサップパック400

ボノピオンパック

ボノピオンパック

抗生剤のアレルギーをお持ちの方や、他院での二次除菌不成功例の方などに対しては、自費診療による保険適応外の治療にも対応させて頂いておりますので、お気軽にお尋ねください。
また除菌後の方においても胃粘膜萎縮は残るため、元々ピロリ菌がいない方に比べると、胃がんの発生頻度は高いものとなります。そのためピロリ菌の除菌が成功した方においても、胃がんの早期発見のためには定期的な胃カメラ検査が重要になります。
胃がんは早期で発見できれば、内視鏡的に切除することで治癒させることができる疾患です。主に内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)が行われますが、ある程度深くなった病変では外科的な切除を要し、さらに進行したものでは全身化学療法(抗がん剤による治療)の適応となります。胃がんの発生頻度を下げ、また早期に発見して侵襲の低い治療で治癒させるためには、ピロリ菌の除菌治療および定期的な内視鏡検査が大変重要です。
ご不明な点などがございましたらば、お気軽にご相談ください。