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生活習慣病外来

生活習慣病外来Lifestyle-related diseases

現在は内視鏡を含めた消化器疾患診療ニーズの高まりに伴った相対的な医療従事者のリソース不足から、生活習慣病診療の新規受入は停止させていただいておりますので、何卒ご了承くださいますようお願いいたします。

生活習慣病とは食習慣や運動・休養不足、喫煙・飲酒などの日常の生活習慣が、その発症や進行に関与する疾患の総称です。
食べ過ぎ、偏った食生活、アルコール多飲、タバコ、ストレスなどが体に悪影響を与える結果、高血圧症、脂質異常症(高脂血症)、糖尿病などの発症、増悪の原因となります。
自覚症状がないことが多く、健診などで指摘されて初めて気がつかれる方が多いです。
これらの病気のコントロールが悪い状態が長く続くことによって、心筋梗塞などの心血管障害、脳梗塞などの脳血管障害、慢性腎臓病、アルコール性肝炎や非アルコール性脂肪性肝疾患などの肝障害、肝がん・膵がん・大腸がんなどの多くの悪性疾患など、さまざまな病気の発症につながります。
因子が重なるととくに血管障害への影響は深刻で、高血圧症・脂質異常症・糖尿病・肥満を併発することでとくに心血管障害のリスクが飛躍的に高まることから、「死の四重奏」などと呼ばれたりもします。 健康で長生きをするためには、生活習慣病の良好なコントロールはとても大切です。
当クリニックでは内視鏡および胃腸疾患診療に主眼を置きながらも、生活習慣病を併発している患者さまに対しては、元気で長生きして頂くために積極的に治療介入を行って参ります。

※ すでに他院で生活習慣病の治療を受けられている方で、胃腸症状やがん検診結果異常などで当クリニックを受診された患者さまに関しましては、生活習慣病については特別にご希望がない限りそのまま当該医療機関での治療を継続して頂きますのでご了承ください。

高血圧症

高血圧症

診察室血圧140/90mmHg(以降単位略)以上、もしくは家庭血圧135/85以上の場合が「高血圧」です。
また「高値血圧」という定義もあり、これは診察室血圧130/80以上140/90未満、もしくは家庭血圧125/75以上135/85未満の場合を指します。
血圧が高い状態が慢性的に続くと、それが動脈硬化の原因となり心血管障害や脳血管障害のリスクが高まりますので、血圧を低く保つことは重要です。
75歳以上で明らかな合併症のない方は、この高血圧の定義値未満に血圧を抑えることができれば良いとされています(診察室血圧140/90未満かつ家庭血圧135/85未満)。
一方で75歳未満の方や、75歳以上でも脳血管障害(ただし両側頸動脈狭窄・脳主幹動脈閉塞は除く)・心血管障害・慢性腎臓病(尿蛋白陽性)・糖尿病・抗血栓薬服薬のいずれかに該当する場合は、降圧目標はより厳しく、高値血圧の定義未満にするべきとされています(診察室血圧130/80未満かつ家庭血圧125/75未満)(JSH2019より)。
この降圧目標よりもさらに下げるべきかどうかについては、それによる合併症増加との兼ね合いからも議論のあるところで、個別の状況に応じて対応すべきであると思われます。
家庭血圧だけが高めの仮面高血圧の方では、診察室血圧だけが高めの白衣高血圧の方に比べて心血管障害のリスクが高いなどもあり、来院時だけでなくしっかりとご家庭でも血圧を測って頂くことが重要です。
治療の基本は第一には生活習慣の改善ですが、仕事との兼ね合いなどで難しい方も多かったり、またそれだけでは十分な降圧には至らなかったりなどもあって、お薬が必要となることが多くなっています。

脂質異常症(高脂血症)

高血圧症

血清脂質の値として、LDLコレステロール140mg/dL(以降単位略)以上、HDLコレステロール40未満、中性脂肪(トリグリセリド)150以上の場合に「脂質異常症」とされます。
以前は「高脂血症」という名称が用いられていました。しかし善玉コレステロールであるHDLコレステロールは高い方が良いとされており(HDLコレステロールは血管壁に付着したLDLコレステロールを減らす働きがあります)、高脂血症という名称では誤解を生じるおそれがあるため、近年では脂質異常症の名称が用いられています。
悪玉コレステロールであるLDLや中性脂肪が高い状態が慢性的に続くと、動脈の内側に血中の余分な脂質がくっついて動脈硬化を惹き起こし、心筋梗塞などのリスクが高まりますので、この値を目標内におさめることが重要です。
治療としては、HDLコレステロール40以上、中性脂肪150未満と疾患定義外とすることが目標となりますが、LDLコレステロールについては高血圧症の治療目標と同様に、他の因子などの併存の有無でリスク分類をしての目標設定をすることになっています。
具体的には、まず心血管障害の既往のある方は最もリスクが高いとされており、LDLコレステロール100未満にすることが求められています。糖尿病・慢性腎臓病・非心原性脳梗塞(心疾患に由来しない脳梗塞)・末梢動脈疾患(主として下肢の動脈硬化)のいずれかがあった場合には高リスクとされます。それらがなかった場合は、喫煙・高血圧・低HDLコレステロール血症・耐糖能異常(糖尿病予備軍の位置付け)・心血管障害の家族歴の5つの因子の個数および性別・年齢によって低リスク・中リスク・高リスクに分けることになります。ただしこれは簡易的な分類であり、より正確な分類を行うためには吹田スコアを算出してリスク分けを行います。計算は煩雑ではありますが、ネット上やアプリなどでも算出できますので、実際の医療現場ではいずれもが行われているのが実情です。
LDLコレステロールの治療目標としては、低リスクでは160未満、中リスクでは140未満、高リスクでは120未満となり、リスクが高い方ほど、より厳しく管理する必要があります(JASガイドライン2017より)。
治療の基本は第一には生活習慣の改善ですが、様々なご事情で難しい方も多かったり、またそれだけでは治療目標の到達には至らなかったりなどで、お薬が必要となることが多いのが実情です。

※ LDLコレステロールを直接測定する技術は近年本邦で開発されたものですが、いくつかの手法がありその結果にバラつきが見られるなどの問題があります。そのため通常はFriedewaldの計算式でLDLコレステロールを計算します。
LDLコレステロール =(総コレステロール)-(HDLコレステロール)-(中性脂肪)/5(LDLC=TC-HDLC-TG/5)
※ 脂質異常症の治療目標としては、上記も踏まえてnon-HDLコレステロールの値も設定されています。

糖尿病

高血圧症

糖尿病には「1型糖尿病」と「2型糖尿病」とがあります。いずれも血糖を低下させる作用のあるホルモンであるインスリンが深く関わっています。
1型糖尿病ではインスリンを分泌する細胞が破壊されてしまうために、絶対的なインスリン不足により高血糖が生じます。
2型糖尿病は、複数の遺伝素因のほか、過食(とくに高脂肪食)・運動不足・肥満・ストレスなどの環境因子と加齢が加わることによって、インスリンの分泌低下やインスリン抵抗性の上昇(インスリンの効果が出にくくなること)が生じて発症します。いわゆる生活習慣病としての糖尿病は、この2型糖尿病のことを指します。
空腹時血糖値126mg/dL以上(以降単位略)、75g OGTT 2時間値200以上、随時血糖値200以上、HbA1c 6.5%以上のいずれかに該当する場合が糖尿病型となります。それに対して空腹時血糖値110未満かつ75g OGTT 2時間値140未満の場合が正常型、糖尿病型・正常型いずれにもあたらないものが境界型とされています。
境界型は糖尿病に準ずる状態とされており、糖尿病へ移行することも多い危険群です。食事制限や運動の習慣付け、飲酒習慣の是正や禁煙などで改善する必要があります。また併存する高血圧症や脂質異常症がある場合には、それらの改善も効果的です。
糖尿病型では第一に食事療法・運動療法を中心とした生活習慣の改善が必要です。ただしこれらを一定期間(2~3ヵ月程度が目安)継続してもコントロールが付かない場合には、薬物療法を要します。インスリン分泌能・抵抗性それぞれの状態に応じて薬物の選択が行われます。
治療目標としてのHbA1c値は、年齢や認知機能障害の有無・程度、ADL(生活の自立度)や併存疾患の有無などによって変わってきます。若年者で正常化を目指す場合は6.0%未満、中等度の認知機能障害やADL低下もしくは併存疾患のある高齢者では8.5%未満と、状況によって治療目標が変わってくるのは、高血圧症や脂質異常症などと同様です。

※ 当クリニックは血糖自己測定・注射療法(インスリン製剤・GLP-1アナログ製剤など)には対応しておりません。必要に応じて適切な医療機関への紹介をさせて頂きますのでご了承ください。

メタボリックシンドローム

脂肪型肥満に、高血圧・脂質異常・高血糖のうちの2つ以上を合併した状態を、「メタボリックシンドローム」といいます。
具体的には、脂肪型肥満としては腹囲(臍の高さで測定)が男性で85cm以上、女性で90cm以上とされており、高血圧としては130/85mmHg以上、脂質異常としては中性脂肪150mg/dL以上もしくはHDLコレステロール40mg/dL未満、高血糖としては空腹時血糖値110mg/dL以上が基準となります。
より重篤な疾患への危険信号ですので、積極的に食生活の改善、適度な運動、規則正しい生活を目指して、メタボリックシンドローム状態からの脱却を目指していく必要があります。