胃ポリープ(胃底腺ポリープ・過形成ポリープ・腺腫など)
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胃ポリープ(胃底腺ポリープ・過形成ポリープ・腺腫など)

胃の粘膜の上皮細胞が増殖して隆起しているものを総称して、胃ポリープとよびます。胃ポリープには腫瘍性のものと、腫瘍ではないもの(非腫瘍性)とが含まれます。
非腫瘍性ポリープの代表的なものは、胃底腺ポリープと腺窩上皮型過形成ポリープ(過形成性ポリープ)の2種類です。ほかには炎症性・症候性・家族性ポリープなどがありますが、頻度は多くありません。
胃底腺ポリープは、主に胃液を分泌する胃底腺の細胞が増殖したものです。ピロリ菌に感染していない胃に見られることの多い、元気の証拠のようなポリープとされています。がん化は非常にまれではありますが、巨大なものになるとがん化のリスクが上昇してきます。プロトンポンプ阻害薬(PPI)・P-CABといった胃酸を強力に抑える酸分泌抑制薬を用いていると、血中のガストリンが増加し、それが胃底腺ポリープの発生・増大の原因となることがあります。
胃底腺ポリープ
胃底腺ポリープはこのように多発することが多いです。過形成性ポリープ(腺窩上皮型過形成ポリープ)は、胃の粘膜表面の被蓋上皮が、間質の血流増加を伴って増殖したものです。
胃過形成性ポリープピロリ菌に感染している萎縮性胃炎を背景に発生することが多く、感染の指標にも成り得るといえます。また広義の腺窩上皮型過形成ポリープには、血管・間質の増生を伴わない単純な腺窩上皮の増殖によるポリープもあります。このようなものはピロリ菌未感染胃や除菌後胃に見られることも多く、春間-川口病変(多発性白色扁平隆起)として区別されています。
春間-川口病変はほとんどの場合で多発します。
春間-川口病変では、NBI観察で顕在化して視認性が上がることが多いです。腫瘍性ポリープには、良性の胃腺腫、悪性の胃がんが含まれます。胃腺腫は粘膜上皮が腫瘍化しているものの、悪性化はしておらず良性のものを指します。長期間変化がなく経過するものもありますが、がん化することがまれではありません。
胃腺腫胃カメラ(胃内視鏡検査)の施行時に、偶然みつかることがほとんどです。健診・胃がん検診でのバリウム検査が、発見契機になることも多いです。胃底腺ポリープや過形成ポリープのほとんどは、内視鏡観察での鑑別が可能です。胃底腺ポリープは周囲粘膜と同じ色調の、つるつるとした無茎性~亜有茎性の数mm程度のことが多い病変です。対して過形成ポリープは赤みの強いやや凹凸のある表面をした、亜有茎性~有茎性のこともあるポリープです。胃底腺ポリープではがん化は非常にまれで、過形成ポリープでも通常は2cmを超えない場合での担がんは比較的まれです。しかしながら小さくても形態からラズベリー様腺窩上皮型胃腫瘍(ラズベリー型胃がん)との鑑別を要すことがあります。そのため通常は胃底腺ポリープ・過形成ポリープでは生検での組織病理学的検査を要することは少ないですが、上記のような場合や、家族性大腸腺腫症(FAP)に生じる胃底腺ポリープなどではがん化していないかをみるために、生検を要することがあります。
比較的大きな病変であっても、胃がんでなく腺腫であることもあります。
NBI観察で、上記病変の近傍の小さな別病変が明瞭化しています。また胃腺腫の場合はがん化する確率が高く、また高分化型がんを見た目だけで否定することは難しいため、発見時には原則生検が施行されます。さらに胃腺腫で治療しない場合においては、がん化リスクがあることから定期的な胃カメラ検査は必須となります。
胃底腺ポリープは一般には治療の対象とはなりません。ただしPPI・P-CABを投与中の場合は、投薬を中止するか、また症状などから酸分泌抑制薬を切ることができない場合は、H2ブロッカーに切り替えることで胃底腺ポリープは退縮し、数・大きさともに削減できることが多いです。
過形成性ポリープはピロリ菌の除菌によって消褪することも多く、ピロリ菌陽性の場合は、まずは除菌治療が行われます。ただし頻度は低いですが大きめのものはがん化することがあり、またそうでなくともとくに抗血栓薬(血液がサラサラになって固まりにくくなるお薬)を服用されている方などでは出血源となったりすることもあるため、その場合には内視鏡的に切除する対象となることがあります。
胃腺腫は小さなものであれば定期的な内視鏡的観察で経過を見ることもできますが、がん化することもまれではないため、ある程度の大きさのものや増大傾向のあるもの、また患者さまが若年である場合などでは、積極的に内視鏡で切除する対象となってきます。内視鏡的切除の手段としては、局注して粘膜を切開して粘膜下層を剥離していく内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)が主に行われます。
ラズベリー様腺窩上皮型胃腫瘍に対しては、現状は胃がんに準じたESDやEMRなどで治療されていますが、悪性度がきわめて低いことが分かってきており、今後は臨床試験などを通じてより低侵襲なCSPなどでの治療も含めた適応が判明してくると思われます。
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