胃がんとは、胃の粘膜表面の上皮細胞が異常をきたし、無秩序に増殖することで生じる悪性腫瘍です。進行すると粘膜から粘膜下層、筋層、漿膜へと深く浸潤し、放置すると局所浸潤から腹膜播種、さらにリンパ節転移、他臓器への遠隔転移を生じて、致死的経過をたどります。
胃がんの最大の要因となっているのが、ピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ [Helicobacter pylori, H. pylori])感染です。ピロリ菌は毒素を産生することで慢性的な萎縮性胃炎を引き起こし、長年の経過で胃の粘膜細胞にDNAのメチル化などのエピジェネティックな修飾(DNAの塩基配列変化を伴わずにon・offを切り替えるような遺伝子の発現調節)が加わることで、胃がんの発生リスクが高まります。そのほか、飲酒・喫煙、高塩分食、自己免疫性胃炎などが胃がん発生のリスクとなります。また、糖尿病だと胃がんができやすいとされています。遺伝性びまん性胃がんという疾患もありますが、マオリ族などで多い一方で、本邦においては遺伝性の胃がんはまれです。



