食道の疾患|亀戸内視鏡・胃腸内科クリニック|東京都江東区亀戸で楽な胃カメラ・大腸カメラ

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食道の疾患

食道の疾患|亀戸内視鏡・胃腸内科クリニック|東京都江東区亀戸で楽な胃カメラ・大腸カメラ

好酸球性食道炎(EoE)

病態

食道イメージ

好酸球性食道炎(EoE)は、比較的最近になって定義付けされた新しい疾患で、好酸球性胃腸炎とともに好酸球性消化管疾患に分類されます。食道の粘膜に、アレルギー反応に関与する白血球の一種である好酸球が集簇することで生じ、特定の食物との関連も指摘されています。アレルギー性疾患である、気管支喘息・アレルギー性鼻炎・アトピー性皮膚炎との合併を認めることがあります。
欧米で多い疾患でしたが、近年は本邦においても患者数が増えてきています。男性に多く、患者さまの7割以上が男性とされています。好発年齢は30~50代が多く、働き盛りの男性に多い疾患ですが、女性や小児での発症も珍しいという訳ではありません。

症状

食べ物のつかえ感のほか、前胸部の違和感・疼痛、胸やけ症状が代表的な症状です。いずれも逆流性食道炎でも認められる症状ですが、本疾患ではつかえ感が前景に立つことが多く、この点がやや特徴的といえます。
このつかえ感は、食道がんや食道アカラシアでもよくみられる症状です。食道アカラシアでは初期から固形物・液体ともに通りにくくなりやすいですが、好酸球性食道炎や食道がんではまずは固形物が通りにくくなるのが特徴です。ただ食道がんでも進行すると液体も通りにくくなり、好酸球性食道炎でも同様に病勢の進行で線維化が進んでくると液体も通らなくなってきます。
これらいずれの疾患にもいえることですが、症状が軽いうちはゆっくり食べたり水で流し込んだりすると問題なく摂食自体はできてしまうため、無意識の代償行動によって疾患の発見が遅れてしまうことがあり注意を要します。

検査・診断

診断する上では、胃カメラ(胃内視鏡検査)が欠かせないものとなります。典型的な内視鏡像としては、食道で縦方向に長い数条の溝(縦走溝)、それと直交する何重にも渡る輪状溝(これによって食道が気管様に観察されることも)、縦走溝周囲にとくに目立つ細かい白斑となります。一方で、初期や軽症例では内視鏡的にはほとんど異常を認めないことも多いです。
先述の通り、この疾患を特徴付けているのは組織への好酸球の集簇であり、確定診断のためには内視鏡的に生検を行い、病理組織学的検査を行うことが必須です。症状がありかつ、好酸球が最も多いところで、顕微鏡の400倍1視野(HPF)あたり15個以上の好酸球を認めた場合に、好酸球性食道炎の確定診断となります。そのため一見正常に見える食道であっても、症状などから本疾患が疑われる場合には、内視鏡検査時に積極的に生検を行っていく必要があります。

治療

内服加療としては、プロトンポンプ阻害薬(PPI)やP-CABなどの酸分泌抑制薬が炎症の抑制に有効で、多くの方で症状の改善が得られます。これで効果が不十分の際には、ブデソニドなどの局所作用型のステロイド製剤を用います。米国では本疾患用の嚥下用ブデソニド製剤が用いられていますが本邦では販売されていないため、保険適応外の自費診療として気管支喘息で用いられる吸入用ブデソニド製剤を嚥下使用する形となります。嚥下して直接食道粘膜に吸着させて局所的に効果を発揮した後、すばやく肝臓で代謝されるため、ステロイド特有の副作用はほとんど目立ちません。
食事療法としては、欧米では小麦・大豆・卵・乳製品・ナッツ類・魚介類の6大アレルゲンを除去することで7割の患者さまで改善がみられるとの報告がありますが、本邦では服薬治療で寛解状態が得られていれば、とくに制限をしないことが多いです。
進行して強い線維化によって食道狭窄からの症状が強くなってしまった場合には、内視鏡的バルーン拡張術が必要になることもあります。

縦走溝・輪状溝の見られる好酸球性食道炎縦走溝・輪状溝の見られる好酸球性食道炎
所見が強く気管様に観察されるEoE所見が強く気管様に観察されるEoEが…
縦走溝・軽度白斑の状態に改善投薬治療でわずかな縦走溝・軽度白斑の状態に改善。

食道静脈瘤・胃静脈瘤

病態

消化管からの血液は粘膜で吸収された栄養素を多く含んでいるため、そのほとんどは門脈を介して肝臓へといたります。そして肝臓は、これを代謝して体に必要な形に変えたり、有害な成分を無毒化したり、栄養を蓄えたりするという役割を担っています。
ウイルス性肝炎や代謝異常関連脂肪性肝疾患(MASLD)などで肝硬変を生じたり、特発性門脈圧亢進症(IPH)などで門脈を含めた肝臓周囲の血管に病変が生じたりした場合などでは、門脈血流が減少し、消化管から肝臓への血液の流れが滞ります。その際に最も影響を受けやすいのが食道で、食道の粘膜の下にある静脈内の圧力が上昇して血管が拡張し、さらに進行すると瘤(コブ)状になるため食道静脈瘤とよばれます。同様の変化は胃でも生じ、その場合は胃静脈瘤となります。

症状

静脈瘤そのものによる症状は通常ありませんが、破裂すると吐血・下血を生じて止血治療が必要となることはもちろん、ときに致命的な転帰となることもあります。とくに肝硬変が進行していて肝機能に余力がない状態で破裂した場合は、止血治療が奏功しても致死的な経過を回避できないことがあります。

検査・診断

先述の肝疾患がある場合は、定期的な胃カメラ(胃内視鏡検査)を行っていく必要があります。内視鏡で静脈瘤を確認し、その範囲・程度を評価します。占拠部位(L)、形態(F)、色調(C)、発赤所見(RC)で記録します。たとえばLiF2CbRC++CRSだと、食道下部に限局する中等度の静脈瘤ですが、色調が青く一定の発赤があり、かつcherry red spotがあるとなり、局在や大きさの割には破裂リスクが大きいといったことが分かります。
また吐下血時には緊急内視鏡検査を要し、出血部位を確認の後、可能であればそのまま内視鏡的止血に移行します。

治療

静脈瘤に対しての治療のほか、原因となる疾患の治療も併行して必要となります。多くは肝硬変に対しての治療となります。
食道静脈瘤に対しての待機的治療としては、肝機能に余力がある場合は内視鏡的静脈瘤硬化療法(EIS)という食道近位側の静脈を内視鏡周囲に巻いたバルーンで圧排することで静脈を怒張させた状態で、穿刺して硬化剤(EO [オレイン酸モノエタノールアミン])を流し込み、血管内皮を障害することで血管内を血栓化・閉塞するという治療を行って静脈瘤を縮小させます。後日の観察で一定の縮小が得られていれば、地固め療法としてAS(エトキシスクレロール)を用いたEISや、内視鏡的にアルゴンプラズマ凝固(APC)を行っていきます。ただし肝硬変が進行していて肝機能に余力がない場合は、EISを行ってしまうと肝不全のリスクが出てしまうため、内視鏡的静脈瘤結紮術(EVL)という静脈瘤を吸引した状態でゴムの輪をかけて退縮させる方法が採られます。

出血例に対しては緊急内視鏡を行ってEVLでの止血を行い、後日の待機的治療へと移行していきます。ただし何らかの理由で内視鏡的止血が難しい場合には、代替治療としてS-B tubeを用いてバルーンで圧排して止血を行います。
胃静脈瘤の出血時にも胃カメラを用いた止血が行われます。血管内に薬剤を注入するのですが、この際に用いるのはヒストアクリルという外科的接着剤です。待機的治療としては内視鏡的治療ではなくインターベンション治療(IVR)が行われることが多く、バルーン閉塞下逆行性経静脈的塞栓術が一般的です。

食道中部~下部の静脈瘤食道中部~下部の静脈瘤が…
治癒して瘢痕化EVLとAPCによって治癒して瘢痕化しています。

食道孤立性静脈拡張

病態

胃カメラ検査をしているととくにご高齢の方で、食道の静脈が局所的に拡張して青白く半球状に盛り上がった状態として観察されることがあります。これは孤立性静脈瘤ともいいますが、先述の食道静脈瘤とは成因や病的意義が異なることもあり、孤立性静脈拡張が正式な名称となっています。
内視鏡的には、食道の上部~中部に局在する青白調の半球状小隆起として観察されます。本疾患は、高血圧や糖尿病などの生活習慣病を合併した高齢者に多く認められます。そのため加齢による粘膜下の静脈の局所的な脆弱性が関連すると推測されていますが、詳しい成因は分かっていません。そのほか、甲状腺機能異常の合併が多いとの報告もみられます。

検査・診断・治療

胃カメラ(胃内視鏡検査)が行われた際に、食道の上部~中部に局在する青白調の半球状小隆起として、偶然発見されることがほとんどです。食道静脈瘤とは異なり治療が必要となることはほとんどないため、経過観察のみで問題ありません。

中部食道に局在する孤立性静脈拡張中部食道に局在する孤立性静脈拡張
孤立性静脈拡張多発することが多いのも特徴です。

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