胃・十二指腸の疾患|亀戸内視鏡・胃腸内科クリニック|東京都江東区亀戸で楽な胃カメラ・大腸カメラ

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胃・十二指腸の疾患

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胃上皮下病変(SEL/粘膜下腫瘍 [SMT])

病態

胃と十二指腸イメージ

胃上皮下病変とは、胃の上皮(粘膜表層)の下の粘膜固有層(粘膜深層)や粘膜下層、固有筋層などに由来する腫瘤の総称です。以前は粘膜下層と固有筋層に局在する消化管間質腫瘍(GIST)、神経鞘腫、平滑筋腫、脂肪腫、迷入膵などを総称して粘膜下腫瘍(SMT)とすることが多かったのですが、近年は胃神経内分泌腫瘍などの、粘膜下層よりも浅層の粘膜固有層に主座を置く病変なども含めて、上皮下病変(SEL)とするのが一般的となりつつあります。本項では、従来のSMTに相当する病変について解説していきます。胃神経内分泌腫瘍については、別項をご参照ください。

検査・診断

胃SMTの診断にあたって最も有用なのは、胃カメラ(胃内視鏡検査)です。SMTでは通常、胃表面の粘膜は正常で、その下の粘膜下層を中心に腫瘤が局在するため、胃カメラ検査のみでは多くは確定診断にはいたりません。ただし胃迷入膵(異所性膵)はほとんどが前庭部に発生し、開口部様所見を伴っていることが多いため、見た目の所見や鉗子圧排でのやや弾力のある硬さ(弾性硬)から、大体の診断を付けることも可能です。
そのほか、内視鏡の鉗子口から細径プローブを出して行う超音波内視鏡検査(EUS)では、腫瘍径や局在する層(粘膜下層由来や、筋層由来など)、内部の性状などが分かり、また造影CT検査では腫瘍径や血流の多寡、内部構造の均一性の評価などが可能です。造影CT検査はきわめて客観性をもった検査といえますが、小さな病変では胃がしぼんだ状態だと評価が難しく、バリウム検査で用いられる発泡剤と200mL程度の水を服用した状態で撮像することによって、胃が膨らんだ状態での撮像ができるようになるため、病変の評価をしやすくなります。

胃カメラ検査で生検を行うことで組織病理学的検査を行うこともありますが、SELに含まれる胃神経内分泌腫瘍では診断にいたることが多い一方で、GIST・神経鞘腫・平滑筋腫など筋層由来のSMTでは診断にいたることはほぼありません。脂肪腫や迷入膵(とくに開口部を狙撃生検した場合)では、粘膜下層に局在するため確定診断できることもありますが、同一部を何回か掘っていくボーリング生検を要することが通常です。脂肪腫は生検鉗子で圧排した際に軟らかく、また病変が露呈するとキラキラと黄色く光る脂肪組織があふれ出てくるため(naked fat sign)それも鑑別のヒントとなります。GIST・神経鞘腫・平滑筋腫では、かなり深めにボーリング生検をしたり、狭い領域の粘膜切除を行ってからボーリング生検を行ったりして診断することも可能ですが、あまり一般的とはいえません。ただし組織が採取できても、一般的なHE染色での検査では鑑別は難しく、通常は免疫染色を要します。紡錘形細胞がC-kit陽性ならGIST、デスミン陽性なら平滑筋腫、S-100陽性なら神経鞘腫となります。またより確実に組織を採取するためには、専用機を用いてEUSを行い、その先から穿刺針を用いて行う超音波内視鏡下穿刺吸引法(EUS-FNA)を施行する必要があります。

胃SMTのうち、比較的大きなものや明らかな増大傾向のあるもの、また表面の発赤や凹凸が目立つものや、潰瘍化を生じているものなどではGISTの可能性が高いと考える必要があります。ただしGIST以外の、たとえば神経鞘腫などでもまれな悪性化や良性でも巨大なものなどでは、潰瘍化しての出血は決して珍しくはなかったりもします。胃SMTの検査にあたっては、内視鏡検査や他の画像診断を用いて、治療を要することが比較的多いGISTの可能性がどの程度あるかを判別していくことがとても重要となってきます。

治療

神経鞘腫、平滑筋腫、脂肪腫などでは悪性化の頻度は低く、通常は経過観察とされますが、出血や悪性化などから治療を要することはあります。また迷入膵は、胎生期に膵組織が胃壁内に取り込まれたものであり、こちらもまれな異所性膵炎の随伴や、がん化などがない限りは、治療を要することはほとんどありません。
GISTでは、通常は外科的切除が行われます。胃がんの場合とは異なり、悪性度が低い場合には局所切除におさまることが多いです(胃がんの場合は部位などによって部分切除や全摘となることが多い)。腫瘍径が2cm以上で明らかな潰瘍形成・辺縁不整・急速な増大などの悪性所見を伴っていたり、EUS-FNAでGISTの確定診断となっている場合が手術適応となります。ただし胃SMTの腫瘍径が5cmを超えているような場合では、組織でのGISTの確診がなくても手術適応となります。GISTの術前径が10cm以上であったり、不完全切除の可能性が高かったりする場合には、術前・術後に分子標的薬を用いるのが通常です。

そして切除不能例・再発例・遠隔転移例などでは手術は行わず、分子標的療法を行って耐性が出た際には次の薬剤へと切り替えていきます。

体下部大弯前壁寄りのφ15mm大のSEL胃体下部大弯前壁寄りのφ15mm大のSEL
体下部大弯前壁寄りのφ15mm大のSEL近づいて観察すると、粘膜表面は正常であることが明瞭となります。
胃噴門部近傍のφ10mm大のSEL胃噴門部近傍のφ10mm大のSEL

胃黄色腫(キサントーマ)

病態

胃黄色腫は、胃の粘膜上に局在する、φ数mm程度の黄白色調扁平隆起性病変です。組織を採取して顕微鏡で見てみると、免疫細胞の一種であるマクロファージが脂質を貪食したものが集まった像として観察されます。
となると、胃内に黄色腫が多い方では血中のコレステロールや中性脂肪値が高いのかというと、そういったことはありません。胃黄色腫を有している方では、ピロリ菌に感染している割合が高いことが知られています。ピロリ菌に感染している方では、ピロリ菌による持続的な炎症が生じることで、慢性的な胃粘膜萎縮の進行が認められます。この炎症状態の持続によって局所的に組織の破壊が起き、それら脂質に富んだ残骸を貪食したマクロファージが集簇したものが黄色腫であるといえます。

検査・診断・治療

胃カメラ(胃内視鏡検査)でたまたまみつかります。黄色腫自体はがん化などもしないため、とくに治療は要しません。ただ黄色腫はピロリ菌に感染している方で多いため、萎縮粘膜などと同様にピロリ菌に感染しているかどうかの指標の一つとなります。
そのためピロリ菌検査の結果が陽性であれば、将来的な胃がん発生のリスクを下げるためにも、除菌治療を行うことが望ましいです。除菌が成功しても、黄色腫自体は通常はそのまま残存します。

胃前庭部後壁の黄色腫胃前庭部後壁の黄色腫
多発した胃黄色腫胃黄色腫はこのように多発して見られることも多いです。

ピロリ菌について

ピロリ菌について、詳しくはこちらをご覧ください。

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